事業報告

平成27年度事業報告 (平成27年7月1日 ―平成28年6月30日)


<実施事業の概要>

消費税軽減税率導入の平成28年度与党税制改正大綱での決着に向け、政府与党への要請活動強化の結果、12月16日、「定期購読契約が締結された新聞の適用税率は8%とする」と明記され、適用対象に決まった。

特定商取引法の見直しでは、業界ヒアリングに出席し、訪問販売、電話勧誘販売の不招請勧誘規制の導入に強く反対を表明、中間報告に対するパブリックコメントの全国展開を推進した。最終的に消費者委員会は規制強化を見送った。

平成26年12月、厚労省より死亡事故を含む新聞販売店の交通労働災害が増加傾向にあるとの指摘を受け、その後、各組織での積極的な取り組みにより、平成27年は前年を下回る結果となった。

「すべての教室へ新聞を」運動は、各地区での積極的な取組みにより、実施校が着実に増加した。

 

<事業項目>

1、新聞の普及に向けた改善に関する事業

(1)再販売価格維持制度及び新聞特殊指定の堅持

文字・活字文化普及の根幹である再販売価格維持制度及び新聞特殊指定の堅持に向け、通常総会の第1番目のスローガンとするなど、その重要性を引き続き広報した。


(2)特定商取引法の見直しに対する対応

消費者庁は、平成20年の特商法制定時に、訪問販売について再勧誘規定を設け、訪問販売によるトラブル、苦情の減少を目指したものの、目立った改善が望めなかったとして、今回の見直しで「不招請勧誘の禁止」を導入し、訪問販売の全面禁止を視野に検討を進めた。

見直し作業は、消費者委員会専門調査会が担当し、平成27年6月10日には新聞協会、日販協を始め、訪問販売に関する8団体から意見を聞くとして、業者ヒアリングを実施した。その席上、新聞協会からの意見表明の際に、専門調査会委員の私語、笑いなど看過できな い状況が発生、専門調査会の偏向的な審議と議事運営に対し、新聞協会、日販協は、山口俊一内閣府特命大臣、板東久美子消費者庁長官、河上正二消費者委員会委員長あてに抗議文を送付した。また、国民生活センターのPIOネットデータに疑問を呈した「相談件数で新聞が最も多いというウソ」との冊子を製作した。

同年7月2日、自民党の政務調査会は、6月10日の消費者委員会専門調査会業者ヒアリングの状況を受け、急遽、内閣部会、消費者問題調査会の合同会議を開催。消費者庁、消費者委員会事務局の責任者を呼び、改めて関係事業者のヒアリングを行った。出席の議員からは、専門調査会での出来事に大変厳しい意見が相次ぎ、今後の審議を注視していくとして、慎重かつ礼儀ある審議と拙速な取りまとめに注意を促した。

8月25日、特商法専門調査会は、「議論の結果、勧誘に関する行為規制の強化の要否を含めて、共通認識が形成されるには至っていない」として、両論併記の『中間整理』を発表、併せてパブリックコメントを行うとした。日販協では、会員販売店、関係事業者にパブリックコメントへの意見送付を呼びかけた。10月26日、パブリックコメントの集計結果が公表され、規制強化反対が39,428件、賛成が545件であることが明らかになった。

12月24日、特商法専門調査会は、焦点であった不招請勧誘規制の導入など訪問販売の勧誘行為への規制強化について、国民生活センターのPIOネットデータからは立法事実が確認できないこと、まずは現行法の執行強化、自主規制の強化、相談体制の強化・充実等の取組みをしっかり行うべき、との議論を踏まえ、「委員間で共通認識が形成されなかった」と記し、盛り込まないとした最終報告をまとめた。

本年1月7日、内閣府消費者委員会は、特商法専門調査会の最終報告書を答申として内閣総理大臣に提出した。

なお、改正法案は5月25日参議院本会議で可決、成立した。

 

(3)公正販売の実現に向けた特定商取引法など関連法令の周知徹底

特定商取引法の改正論議を踏まえ、事業者としての各新聞販売所での取り組みテーマとして、訪問時の確認事項の励行、読者苦情の根絶、高齢者との慎重な契約、などに最大限の注意が払われるよう、定例理事会、会報紙などで注意を呼びかけた。

(4)地域ごとに系統を越えた「話し合いの日」の充実と徹底の提唱

消費税軽減税率導入、特定商取引法の改正を踏まえ、公正販売の実現が一層求められてくることから、系統を越えた同一エリア内の各販売店の話し合いの推進を定例理事会、各地区の総会等で呼びかけた。

 

2、文字・活字文化の振興に資する事業

(1)文字・活字文化の中軸である新聞に軽減税率適用の要請

平成26年末の与党税制改正大綱で『軽減税率を10%時に導入する』と明記され、導入が固まったものと判断されたが、平成27年6月に与党税制協議会の自民党側より、予定していた中間とりまとめを延期するとの発表がされ、自・公の協議が中断した。

これらの動きを受け、日販協幹部が自民党新聞販売懇話会幹部、公明党新聞問題議員懇話会幹部を訪問、局面の打開に向け支援を要請した。自民党懇話会では6月4日、自民党新聞販売懇話会総会を開催、あらためて軽減税率の購読料への適用を求める決議を採択した。

一方、各地区で一昨年来続けられてきた都道府県市町村の議会に対する軽減税率を求める請願採択件数は7月末で409議会に及んだ。

9月4日、消費税の軽減税率に変わる『2%の後日給付案』の情報が突如持ち上がり、日販協幹部が9月8日、9日、事実関係に確認に漆原公明党懇話会長と丹羽自民党懇話会長を急きょ訪問し、軽減税率の導入で働きかけを強めていただくよう要請した。

9月10日、財務省は「後日還付」案を公表した。

9月25日、安倍晋三総理大臣と山口なつお公明党代表が会談し、後日還付方式でなく、“軽減税率を導入すべき”との認識で一致したとの報道があった。日販協は10月5日、『後日還付でなく軽減税率を!』と題した小冊子を発行、衆参のすべての議員に送付した。また10月7日には、元国税庁長官で、“軽減税率を導入すべき”を持論とされている大武健一郎氏を招き、「軽減税率は国家戦略」とのテーマで講演を行った。

10月11日、菅義偉内閣官房長官がNHKの番組で軽減税率導入について、「自民党の選挙公約、与党間の連立合意がある。約束したことは政権としてしっかり進めていきたい」と発言。14日には、政府として正式に軽減税率の導入方針を発表した。

10月20日、軽減税率の対象品目に新聞が確実に選定されるよう、自民党新聞販売懇話会、公明党新聞問題議員懇話会に日販協幹部が申し入れを行った。27日、与党税制協議会は2017年4月の10%への引き上げと同時に軽減税率を導入すると確認した。

丹羽自民党新聞販売懇話会会長はじめ懇話会幹部は、10月27日から29日にかけ宮沢洋一税調会長、谷垣禎一幹事長、稲田朋美政調会長らを訪問し、新聞購読料への軽減税率適用を要請した。日販協幹部が同行した。

12月16日、与党は平成28年度税制改正大綱を決定。酒類及び外食を除く飲食料品とともに、「定期購読契約が締結された新聞(一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行される新聞に限る)の適用税率は8%とする」と明記、新聞購読料への8%の適用が確定した。

3月29日、平成28年度税制改正関連法が成立した。

 

(2)子どもと社会をつなぐ「すべての教室へ新聞を」運動の推進

新聞に接することの少ない子供たちに、『社会の出来事を皆で話し合うことで考える力がつく』、『多様な情報の中から学び、発見をする』など、新聞の持っている特長や価値、魅力を知ってもらうことを第一義として、活動地域の販売店が推進しているボランティア「すべての教室へ新聞を」運動は、本年5月現在、2,610校と前年調査時に比べ189校増加した。この間、千葉、神奈川、和歌山などの一部実施地区では、行政、学校と一体となって感想文コンクールやスクラップコンクールなど多彩な取組みを推進した。

 

 (3)戸別配達制度の重要性を広報する「しんぶん配達の日」のPR活動

毎朝、定時に全国一斉に配達されている新聞の戸別配達に光を当てる「しんぶん配達の日」の周知に向け、関係委員会で検討を行ったが、具体的な活動までは至らなかった。なお、7月14日の「しんぶん配達の日」は、昭和52年7月14日に、わが国初の気象衛星「ひまわり」が打ち上げられ日で、気象衛星が日々地球を回って気象情報を送り続けて国民に便益をもたらしていることと、各販売店の所長、従業員が毎朝、早朝から各家庭に正確な情報と文化を届け、社会に便益をもたらしていることを重ね合わせ制定した。明日に向かう明るさをイメージさせる「ひまわり」をキャラクターとしている。

 

3、新聞の戸別配達制度の堅持に関する事業

(1)新聞休刊日の従前どおりへの復元とその合理的設定を求める活動

情報通信手段の大きな変革など業界を取り巻く労働環境が厳しさを増し、労働災害の発生にもつながりかねないことから、労働環境対策委員会は会員へアンケートを実施した。全回答のうち、84.8%が年12回の休刊日を求めるなど、年12回の休刊日の復元へ強い要望が明らかになった。今後も発行本社との会合の場などを通じ要請を続ける。

 

(2)配達時の交通災害の防止に向けた取り組みの推進

厚生労働省労働基準局安全課より、一昨年来、新聞販売店の交通災害が増加傾向にあるとの書面での指摘を受け、要請事項の実施に向け理事会、関係委員会、各地区での徹底の他、日販協月報、ホームページも活用し全会員への周知活動を推進した。

労働環境対策委員会では、厚労省の監修を受け、安全推進のポスターを製作、合わせて各事業所での安全推進者を掲示する選任ポスターとともに会員に届けた。各地区組織では、総会に地元労働局に講演を依頼するなど、地区の状況に合わせそれぞれ取り組みを推進した。

 

(3)労働環境の整備適正化の推進

戸別配達制度の維持に向け、各地区ごとに地区事情に合わせた労働環境の改善、整備を進めていくよう理事会で呼びかけた。

 

4、前各号に掲げるものの他本会の目的を達成するために必要な事業

(1)会報紙及び現地訪問等による組織の充実及び拡大

未組織地区系統会へ、本会活動への理解を深めてもらうべく日販協月報を引き続き送付した。

 

(2)折込広告事業者団体との連携

折込広告事業者の全国組織である一般社団法人日本新聞折込広告業協会と懇談し、全国的な折込の状況、課題などについて、情報交換を行った。

 

(3)日本新聞販売協会賞等の表彰事業

平成27年度の日本新聞販売協会賞の選考を行った。協会賞受賞者22名を選考し、今年度総会で顕彰することとした。